2011年4月21日木曜日

福島原発従業員の血液から幹細胞を採取・保存しておくべきと医学者たちが主張(bloomberg記事和訳)

Japanese Nuclear Workers’ Blood Should Be Saved to Help in Exposure Cure

 思いがけない被曝事故に備え、福島第1原発の従業員の血液から幹細胞を採取すべきだと、5人の日本人科学者が医学雑誌のランセット(The Lancet)に寄稿した。

例えば、急速に分裂する細胞で生殖のために不可欠な腸管などは最も放射能に弱いと、日本のがん研究機関のタニモト・テツオ氏と東京の虎の門病院のタニグチ・シュウイチ氏を含む研究者たちは、今日発売の雑誌ランセットへの寄稿で述べている。(また彼らは)骨髄の損傷は移植によって治療できるとも述べた。

従業員らの血液を蓄えておくことで、移植は容易になるだろう。なぜなら、人体が自分自身の細胞を認識して受け入れるからである。こうすることで、患者を感染症に対して脆弱にする免疫システムを抑える薬が不要となるのである。

大規模な原子力事故において、「このような準備が、原発産業(に携わる従業員)の最大の防御となるなのだ」「最も重要な使命は、原発作業員たちの生命を守ることと、周辺の住人を保護することなのだ」と、タニモト氏とその同僚たちは述べた。

107人の移植チームが、この細胞採取任務のために待機中であると、タニモト氏と他の研究者たちは、3月29日に日本の細胞移植協会から出された声明を引用して述べた。もし必要ならば、ヨーロッパの50以上の病院が協力することに同意しているという。

この(幹細胞)移植は骨髄を損傷した患者のみに適用できるもので、放射能によって消化器官や肺を損傷した患者には効果がないと、この研究者たちは述べた。

(原発の)復旧計画について東電の社員が述べた話では、損壊した原発を安定させるための作業は6月までかかると同社は考えているという。ということは、さらなる余震と放射能漏れが懸念されるということである。この社員は、マスコミに意見を述べることを会社から認められていないので匿名を希望している。

(原発の)従業員たちは、温度と圧力が低下するまで、損壊した4基の原子炉の廃止措置を開始することができない。この事故は、原発周辺20キロメートル以内に居住する数十万の人々に避難生活を強いている。この原子力大災害を収束するためには数十年かかり、1兆円以上の費用が必要である。


読後の感想:
医学系単語が入っている英語記事は好きじゃない。辞書に載っていない医学用語とか出てくるし、医療系知識ゼロだからわけがわからないし、第一興味がない。それでも、当記事を紹介した理由は「この原発事故が、福島原発の従業員の人たちのこれからの人生を大きく狂わせるかもしれない」と、そんなふうに感じて何となく悲しくなったから。今まできっと、誰かの父親とか夫とか恋人として普通に生きていたこの人たちの、これからの人生はどうなるんだろう?